京都の夕暮れ
生田 稔
京都は夕暮
伊勢丹に在り
妻の選ぶスカート・ワンピース
京の女はこまごまし
京の男は柔らかし
蕎麦を食らいて腹は満ち
疲れては柱による
入浴香料・携帯ボトル
などいろいろ買い入れ
街をゆくわれらの車
故郷京都は年末の
人出に賑わい
食品売り場に求む
しゅうまいと串カツ
など食べては思いにふける
京の都はほの温かし
人生の半ば滋賀に移りて
三五年琵琶湖のほとりに住む
聖書学びて四八年
いまだ疲れず
終日書を読みて飽きず
明日も同じき日
その次も同じき日
送りつつ過ぎゆかむ
齢七五歳
モーセと同じき年
一二〇歳にまで至らむと
望む
明日も朝日に向かいて祈り
神のご来光を待つ。