頭の悪い女
はだいろ

一週間前に呼んだ女の子は、
ぼくの風俗史上、おそらく、
最高の、女の子だった。
あの子といつも遊べるのなら、
もう、
他の女の子と遊ぶことはない。


だけど、
人生というものは、ままならぬようにできている。
ようやく、
わざわざ、
今日、無理矢理、仕事を早く上がって、
なんとか時間を作り、
短いあの子の出勤時間に合わせ、
予約戦争に勝ち抜き、
楽しみに楽しみにしてたのに。
「体調崩しまして・・・」
急遽、お休みにとのこと。


ショック。
大ショックである。
失恋したようなショックである。
会うのは、もう難しいかもしれぬ。


こうゆうときに、
身体やこころのゆきばがないから、
代わりの女を、
呼んだりすると、
経験上、
ろくな事はない。
だれも、だれかの、
代わりにはならないのである。
ところが、
ばかなぼくは、
わかっているのに、
安い店の、安い女を適当に呼んでしまった。


来た子は、
安い女の子で、
安いわりには、そんなに悪くはないか、
という、
暗めの、
おとなしい、よく、
クラスの窓際に、
いそうなタイプである。

それなりにプレイは頑張ってくれた。
ぎゅっと抱きついてくるから、
頭をなでてあげた。
ことのあと、
窓の外の雨音を、
抱き合ったままふたりで聞いた。

こうゆう子は、
いちばん困る。
きっと、
うまく、世の中で、生きていけないタイプである。
動物が好きだから、
なんか、動物にかかわる仕事ができたらいいな、って言う。
でも、
原付の試験が、頭が悪くて、
通らないのだ、って言う。
友達はいない。
Xjapanのファン。
寝るのが楽しい。
へびが飼いたい。
ぼくは、ぼくじしん、同じようなところもあるから、
つい、
優しくしてしまうけれど、
それは間違った感情のような気がする。
こうゆう子は、
いちばん困る。
ちょっと、悲しいきもちになる。
それでも、
割り切れるのが、けっきょくお金で買っている、
風俗のよいところである。


この一年、
ぼくの修行のような、
女遊びも、
もうすぐ、遊び納めである。
もう一度、
あの子になんとかして、
会えないだろうか。
会ったあと、きもちが明るくなるのが、
きっと、いい女であり、
いいおまんこである。
あきらめないぞ。
さあ、
来週、もう一度、チャンスを伺う、ことにする。







自由詩 頭の悪い女 Copyright はだいろ 2010-12-21 23:12:50
notebook Home 戻る