砂州の町
相田 九龍

夕陽が太陽が光、砂州の町が陰影の夕景、細い路地、チャイムが響く町


誰もいない路地が、僕には必要だった、用水路が、海に続いて、コンクリート、チャプ、チャプ、音を立てる波、変哲のない石ころが、変哲もなく転がる夕景、何か約束をしたような、石の壁


入り組んだ道を辿ると、時間は繰り返し歪む、夕陽が沈んで行く


変哲のない約束が落ちている、蹴飛ばすと、用水路に落ちて、チャプ、チャプ、五時のチャイム、知らん振りの、石の壁、心が笑う


商店が閉まる、大通りには、制服を着た男女が、空が燃えて、家に帰らなきゃ、家に帰らなきゃ、変哲のない約束が落ちている、家に帰らなきゃ、約束の時間、ずっとずっと昔の、大切な約束


自由詩 砂州の町 Copyright 相田 九龍 2010-12-08 10:34:25
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