サから始まる語義凡例・ハ〜モ
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BAKA
 自分がそうだと気づかない、あるいは意識的に気づこうとしないヒトのこと。
 その傲慢こそヒト科動物個体が幸福に至る唯一の道であるとも換言できる。

 もしくは己が惰性の言い訳に使われる便用語。
 その自己卑下こそヒト科動物個体が安全圏確保の幻想に甘えられる唯一の垣であると
 も換言できる。


万有引力
 この法則はアイザック・ニュートンより遥か以前に、名もなき中国人によって発見さ
 れていたとの見方が現在、優勢である。
 その雄弁な論拠が中華鍋(丸底・北京鍋、広東鍋)であり、発見者とはこれを鋳造し
 た職人、またはその職人に製作を発注した料理人と考えられている。
 材質的形状的熱伝導性の他に、ぶち込んだ食材の落下を見込んで放り上げるアオリの
 運動性には、鍋側の曲面に於ける遠心力と求心力の同時利用さえ加味されているのが
 物理学上の驚異と受け止められている。


人でなし
 我々のこと。


ブサイク/ブス
 主に顔面に焦点を置いた不運の総称。
 一般社会に於いては特に、寧ろ絶世の美形より遺伝子の不思議を劇的に知らしめる変
 異種と言える。
 ただし低身長の男と違い、現代は口腔外科・形成外科医療による救済の道が開かれて
 いる。

 醜男が異性に惹起するのは生理的嫌悪ぐらいのものだが、ブサイクな女を見て一抹の
 郷愁を覚えぬ男はいないだろう。低劣な知能を含めて自分を十人並みということにし
 て置きたい女もまた、鏡ではなく醜女の存在によって初めて安堵を許される。
 つまり見目麗しくない女は、覚えずして他者を救済しているのである。これを一名メ
 シアという。


豚 
 かつては庶民階級の食卓専用の食肉であったが、BSEにより牛が、SARSにより
 鶏が致命的感染症を人間に媒介するようになった近年、最も安全性が高いと一躍脚光
 を浴びる食材。
 しかしながら化学物質と抗生物質の大量摂取により、近い将来に向けその体内で何ら
 かのウィルスを強化している可能性は拭えない(MEX発新型インフルエンザ参照)。

 どのみち世界人口の半数(イスラム教徒、ユダヤ教徒、ヒンドゥー教徒、厳格な仏教
 徒)には関係ない話である。


ブタ野郎
 我々のこと。


変異型クロイツフェルト・ヤコブ病 
 主にBSE狂牛病に罹患した牛を食すと罹患する、肉食人種の末路的廃疾。
 他にはヒト乾燥硬膜の移植などによる発症が知られている。

 草食動物である牛の体を促成肥大させようと飼料に肉骨粉を混ぜ肉食をさせた人為が
 招来した変異蛋白質が病因である。肉骨粉とは解体した牛の不要部分(脳、脊椎等)
 を原料としており、利潤追求の為に自然の摂理を曲げ共食いを強いたわけだ。これに
 より牛の脳、脊髄で異型プリオンが形成されたと考えられている。
 神経組織の正常プリオンを変性させるメカニズムは未だ解明されておらず、病原菌や
 ウィルスと異なり蛋白質そのものである為、経口感染を防ぐ疫学的対処ができず対症
 療法もない。10年前後の潜伏期間を経て脳に簾が入り、急速に文字通り「頭が空
 っぽ」になって死に至る。

 牛を食らう禁忌を犯す事に加え、かつてインドを搾取していた大英帝国で発症が多発
 した為ヒンディーの間では神々の呪いと言われ、かつてGDP世界第2位まで上りつ
 めた同様の島国・日本ではえげれす病と揶揄された。
 この笑止千万をば人類の業病と呼ばで。


マサイ族
 現在は明治維新後の日本人と同義。
 ただ、オリジナルは体格、体力、視力、聴力、嗅覚、食生活を含む精神性、エコポイ
 ント獲得数に於いて日本人に遥か勝る。文明化された彼らが我々に劣るのは、今のと
 ころノートPCと?Phoneの普及率であるが、視界365度のサバンナに暮らす
 彼らにはさして重要な工業製品でもない。

 しかしそれよりも、無体なCO₂削減目標を押し付けて産業界に犠牲を強いるのでは
 なく、今こそ日本政府は既存の首相官邸と両議員宿舎を集合住宅として貧窮納税者に
 明け渡し、牛糞で建設し直す火急事案に着手すべきである。糞造物の高層化、恒久的
 防水処理など日本の技術力にはまさしく屁でもない。


マチュピチュ
 南米チリに在る古代空中都市(世界遺産)。
 暖餅痴里に在る股内皮下都市クチュピチュ(性快慰産)と対極を成す。

 遺跡保護の為、ここでは管理人以外の人間がガイドロープを越えたり事物に触れるこ
 とは厳禁されており、違反者は罰金刑、悪質な場合は懲役刑に処せられる。


間抜け
 個人または集団が恣意的に引いた境界線上のあちら側の人々のこと。蓋然性は皆無。


虫けら
 尊厳剥奪キーワードの1類。

 グレゴール・ザムザ君はある日等身大の甲虫になったことで家族に疎んじられ、死期
 を若干早めるに至ったが、人間の恣意は対象をいくらでも縮小できるのであって、虫
 けらとは文字通り数センチから数ミリの人間を言う。

 このセオリーの適用はナチスドイツや関東軍の蛮行が代表的だが、KKK然りKGB
 然り、カリー中尉とその部下然り、日本赤軍や赤い旅団にクメール・ルージュ、黒い
 9月、アルカイダやタリバーン然り、イスラエル軍とハマスの泥仕合然り、その政治
 的立場、宗教信条、時代背景は一切関係ない。
 また集団心理を必要とするものでもなく、一個人の自己完結で眼前に在る対象の殺傷
 はいつでも可能である。


虫の息
 下顎呼吸のこと。臨終態勢突入を知らせる呼吸法。


目くそ鼻くそ
 品質に於いて前者は後者をそしる位置に在り、生産量では後者が前者を凌ぐという優劣
 や権利問題ではなく、ここで我々が思いを致さなければならないのは歯くその疎外で
 ある。それをミュータント菌などと呼ばわり我々の目をより遠くへ逸らそうとする、
 昨今の政治的意図にこそ着目しなければいけない。

 個人が等しく愛してやまない耳くそを掻く間にミニマム法悦が約束されてあるように、
 実は我々は糞便を愛してやまないエテ公なのであって、高邁な進化を遂げたわけでは
 決してないという自覚を忘れてはならないのである。
 
 5感の全てから糞(又はやに、垢、カス)は生じる。第6感からも疑心暗鬼という糞
 が生じる。大気圏外に夥しい人工衛星まで排泄している、文化・文明を含め我々の生
 存及び生活そのものが脱糞行為だとさえ言えるのだ。
 そこで便器の中を見よ。そこに鎮座まします本ぐそ様が人類の唯一神だ。天上でなく
 地下に祈れと、神はおっしゃっておられる。


モラル  
 乱交を楽しむ為に乱交を禁ずる背理法をいう。

 禁忌抑圧の底面で自己解放は尖鋭化する、この仮面の下のエクスタシーこそがエロス 
 の本懐である。誰もが自己破壊を恐れながら望んでおり、そしてオー嬢に破滅が訪れる
 時は決して来ない。SMの到達点が実質的な死に至る陶酔であれ、何故なら我々は等
 しく老衰して冒険を為し得なくなるだけの話で、モラルとはその大団円的帰結を前倒
 しした無為に人間を押し止めようとする躊躇に他ならない。

 マルキ・ド・サドを読んで興奮を覚えぬ者はいないだろう。あれが我々の性衝動の解
 体新書だからだ。そして背徳とは、所詮あれ程度のヴァリエーションで終始するお戯
 れでしかない。安んじてよい、標榜するほど我々は高邁な主体ではなく、低劣な情痴
 も人糞人肉食いで底を打つのだと教えてくれる、あの著作群は里程標なのである。

 文学が近親姦に始まることを我々は知っている。旅行は歩ける内にするものだ、蜂蜜
 は蜂の巣にしかない。安んじてよいのだ、ネロやヒトラーの活躍場所はエロスではな
 く、ポリティクスというロゴスの庭園に在るが故、だ。



散文(批評随筆小説等) サから始まる語義凡例・ハ〜モ Copyright salco 2010-12-06 22:22:57
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