かきくけこ
小川 葉

 
 
(か)

せなかにある
ちいさなてんは
きっとわたし

かあさんの
か、は
いつもこどもを
おんぶしてる

こばなれしても
かあさんの
か、は

いつも
だれかを
おんぶしてる


(き)

きになるかのじょに
はじめて
あった

おかのうえに
たちつくし
きになったまま


(く)

く、が
せなかをまげて
くるしそう

けれども
たくさんあつまれば

くくくくくくく
 くくくくくくく
くくくくくくく
 くくくくくくく

むねをはって
いきている
たくましい
くさのようにみえる


(け)

けんなおこ
とこたえても
きっとわからないだろう

でもおとうさん
けんなおこは
おもしろいことばだから
いいよ
といってくれた

むすこと
しりとりあそびしてる
そのあいだにも
けんなおこは
けんなおこのままなのだ

テレビでしか
みたことがないのに

それは
ひとのなまえなのに


(こ)

こだまして
こえがかえるまで
そのわずかなあいだにも
またすこし
こえはせいちょうしている

こだまして
かえってきたこえが
すこし
ちがうのだ

やっほー
やまにさけんで
みみをすますと

こどものこえが
かえってくる
 
 


自由詩 かきくけこ Copyright 小川 葉 2010-12-01 03:13:49
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