ボーンズ
Oz

熱い骨が
体を包む
瞳に移る灰褐色は
悪戯に
空気を
変える

首を
キューッと
それで
私はドコまでも行けるの
例えば
愛の果てまでも

たっつんが
そんな事するなって
頬を叩くの
ありがとうって
私は両手を
彼の首に
かけるの

彼のキスが好き
そういう行為も好き
たっつんが好き

でも、
首を
キューッてしすぎて
病院で目覚めることも
たっつんは泣きながら
やめてくれっていうの
それが嬉しくて
嬉しくて
私は涙を流すんだけど…

ねぇ、
気付いたんだ
私は
そんな風に
たっつんが
心配してくれるのが
嬉しかったんだって
ねぇ、
たっつん。
私はただ
その行為が好きだったみたい
ゴメンね。
私はたっつんで無くて
恋に
恋してたのね
それで、
悲しくなって、
首をキューッと

そして、骨と魂になってしまったの
魂の私はたっつんを
上から見てるよ
たっつんは凄く泣いていて
とても可哀想
愛してくれていたのね
こんな私でゴメンなさい

ねぇ、ところで聞きたいんだけれど
さっきから泣きながらメールしている
そのマユコっていうのは
一体ドコの誰なの?
ねぇ、
私はそんな名前聞いたことないわよ?
ねぇ、泣いてくれているのよね?
私のために!!
ねぇ、説明しなさいよ!!
誰なのよ!!
その、マユコっていうのは!?

「誰でもないよ」

そういって
たっつんは私の頬を叩く
寝惚けた私は
隣のたっつんの
ミゾウチを
殴り続けていた
私は眠っていたのでした

今では
首をキューッて
しなくなりました
(まぁ、それは夢の話で
私はそんな事する
ヒトでは
無いんだけどね…)
あれは夢だったけれど
現実に起きてしまったとしたら
とても耐えられそうにありませんから

でも、時々
体の奥で
骨が火照るのです
それは時に
死の淵を呼ぶのです
その時は
そこにある
袖を掴むのです
それだけでいいのです
きっと
それだけでいいのです


自由詩 ボーンズ Copyright Oz 2010-11-25 00:09:26
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