おんな
朧月
母は酔って
元恋人に
生まれ変わったら結婚してといった
私の目の前で
かわいそうだから早くしんじゃえ
私はほんとうにそう思った
母の願いを叶えたくなった
母は まるきり弱い女にみえた
いつもの角はみえなかった
そうして女は弱い部分を
シャワーで洗い流すのだと知った
男はなんといったのか
わすれるほどつまらない顔をした
カクテルはあやしく光って
希望色を放っていた
大人というものをみせつけられて
親というヴェールははぎとられて
そこにいたのは
母と娘
ではない 二人の女だった
自由詩
おんな
Copyright
朧月
2010-11-19 13:44:21
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