葉の精
ナカツカユウリ

はらはらと舞う葉の上に
私はいます
誰にも気付いてはもらえないけれど


私は葉に、落ちて欲しくはありません
ずっと、木の栄養分を吸って
木と一緒にいたいのです


ほうきで掃かれて、たき火にされる前に
人の足で踏みつけられる前に
幾重にも積み重なった葉の中から
私は出なければなりません


冷たい空気の中で
私は暖い色に染まった色の葉を背に
一人、旅を繰り返すのです


「つらいけれど、元気だよ。」
そう仲間に告げなければ
そうして生きなければ
来年、木から萌え出た
若々しい緑に染まった葉に
宿ることが出来ません


「頑張るよ。」
私はそっと呟きます


自由詩 葉の精 Copyright ナカツカユウリ 2010-11-18 13:16:56
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