霧が晴れるまで
葛西曹達

夕方六時 トイレの鏡
掛け違えた コートのボタン
気づいた僕 疲れた顔
虚ろな目が 見透かす心

求めているものは
休息なんかじゃない
五里の霧を晴らすような
頭の中の革命

開いたドア 動かす足
曇った空 冷たい風
震えた僕 硬い身体
薄い夕日が 見透かす心

求めているものは
温かさじゃない
内側から燃えるような
心の中の革命

かばんの中を整理して
いらないものを捨ててみる
軽くなる肩 回してみれば
ボールも遠くに飛ばせそうだ

すべてを越えた世界にあるのは
果てしなくカオスな海
それならば僕は規則(ルール)の中で
何を感じ 何を残す?

今日も世界の片隅で
一人ポツンと立っていた
赤い空がきれいだ
とっても眩しい赤だった

長針がちょうど一周して
あたりはもう群青の中
街灯の下 通り過ぎれば
この世界から飛べそうだ

すべてを超えた世界にあるのは
果てしなくカオスな空
それならば僕は倫理(モラル)の中で
何を感じ 何を残す?

今日も世界の真ん中で
一人ポツンと立っていた
小さい星がきれいだ
とっても強い輝きだった

飛んで行け 飛んで行け
心の霧が晴れるまで
輝いて 輝いて
僕の目眩が消えるまで


自由詩 霧が晴れるまで Copyright 葛西曹達 2010-11-10 18:43:13
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