這え、浪漫は這え
salco

女人と婦人の違いを把握せよ
例えばそれは
シャーロット・ランプリングと
ローレン・バコールよく似てる
気質が猫に撓うのと(霧の夜は更なり)
義理堅い女は所帯臭いのよん(わんわん)
ダスター舐めたい奴も男じゃないだろ(バブー)
はいはい、女とやりたい人はこっちの列だよ
おっぱいは小さめ
脚がまたいい
平板で柔な尻にはまるで愛想がなく
指は鋼のバレエ・リュス
割れそうに薄い背中で
心臓はマグマの氷嚢
偏平足気味の幅はあくまでEマイナス
要はヨーロッパ
くしゃくしゃのフラン紙幣(ユーロではなく)とコルトが似合う手だ
よそよそしく冷たくて
そりゃ深手になる
情が無いからぞっとするほど熱い
蒸留酒だよ
魔性だ
つまり男はこの場合、ハンフリー・ボガードでなく
ダーク・ボガードよく似てる
影薄い、つまらぬ小男で
倦怠を病んでいなければならないという事だ
男もやっぱヨーロッパ(気分だ、気分)


ぜひとも、女とは窯でまぐわえ諸君
白いシーツの上なんかでなく
婦人公論の洗濯指南じゃあるまいし
男たるもの
滅びを愛さでいられよか
こめかみに脂汗
君よワイシャツを毟り取れ
釦とは引きちぎる為に縫いつけてある
ブラック・ミラーのそこは霊廟
いざ
赤のガーターベルトと犬首輪
鞭とセメント
調教タイム
無駄口叩かず這えよ、這え
裸電球お馬さんごっこ人間号地獄巡り
長々と曳いた越中の純白を
磨き上げたノワールのシトロエンが時速130で爆走する
ドーヴァー海峡しどけなく波高し
未開の裏門に祝福あれ
おゝ
この頑是ない粘膜上皮
その健気な凹凸
釘を仕込んだピンヒールの偉大が降臨するぞよ
毛深き尻を丸出しワイングラスに実印投げて
雄叫べよ!
するすると深紅の緞帳降りるその刹那
(心悸亢進全身痙攣 失禁脱糞瞳孔散大)
「いざさらば」

鼻にかかった女声アナウンス;
「この番組は喇叭のマーク正露丸、大幸薬品の提供でお送りしました」



自由詩 這え、浪漫は這え Copyright salco 2010-11-05 20:19:57
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