ひとひら
遠藤杏

ひとひら
手のひらに乗せてみると
ちっさい象みたいな形で
足の裏がかゆくて
恥ずかしいような
気がして

いつかわたし
旅に出る時の
準備を
まだしていなくて
それは
きっと
君がとても可愛いからじゃないかと
ふと思ったんだけど
空はまだ
変な色してんだから


コーラの粒々
舌の上に乗せてみたら
犬が吠えたみたい
しょっぱくて
甘くて
君みたい
そんなことは思い出したくないなぁ


整然と並んだ
言葉の本音を
嘘を
見抜けない
嘘つきかもしれない


ひとひら
手に乗せてみたら
まっすぐに
こっちを睨むから
なんだか
バカみたいだ



自由詩 ひとひら Copyright 遠藤杏 2010-11-03 23:20:31
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