お肉殺害事件
ヨルノテガム









 ナスの動機とアリバイ
 午前キュウリ25分ごろ近所のトマトBさんが
 ジョギングトマト中に肉々しいお肉さん宅の肉玄関先にて
 ナス言い争いをしているのをキュウキュウリリ
 目撃したと言う その肉トマトの会話によると
 「なんで肉よりも野菜の方が高いんや」
 「外国産の肉やからってなんでキュウリ6本より安いねん」
 「肉々しいったらありゃしない」
 「・・モーウ、牛肉やめたい、メタボリック犯罪でもして
 刑務所入りたい ムキャ――・・・」
 などとナス放言を晴天の空に向かって塩叫んでいたと言う
 ナスそんなお肉さんにキゥリ歯包丁が刺さり
 大量のトマト出血が見られ、名だたる有名シェフ(刑事)が
 現場に駆けつけたときには既にコト切れていた
 こんなマズそうな事件は初めてだ・・とズッキーニシェフは
 目をそらす
 新米のパプリカシェフは自分の姿ばかり気にして
 ナルシズムに浸っている
 ブイヨン刑事が「これは事件の中の事件だ!」と地味に
 言い漏らすが誰もノッテ入って来ないので湯にそっと隠れた
 大根輪切り刑事の一人がこのお肉殺害現場を検分してひと言、
 「プチトマトくらい添えてやれよォ、
  ・・こんなんじゃ浮かばれんねぇ・・・」
 コノ悲痛なる意見がナストマトキュウリオールキャストの
 大拍手を呼び弁当箱に全ての物は納められることとなる。
 この事件、白飯の見た夢だって言うから驚き。
 ふっくら炊けた白飯が釜のフタを開けられる直前の瞬間まで
 もがき苦しみ湯気立つ冷アセをかいていたって言うから
 本当らしい
 そういう米って美味いらしいゼ
 電気釜が鈴仏具として鳴り響く
 チーン

















自由詩 お肉殺害事件 Copyright ヨルノテガム 2010-11-02 00:43:10
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