生活
ナカツカユウリ

生活という
意味の解らなかったものに
私は浸っている
めいっぱい
空を目指して
夢中で枝をにょきにょきと伸ばしていた
わたしに
生活とは何かを
知らされることはなかった。

社会科でいう
生活とは
食べて寝て起きて仕事をして
そんなことだった
私は
めいっぱい空に枝を伸ばしていた時に
生活とは何か解らなかった から
空に見放された瞬間に
生活を失いかけた


さあ
今日は鍋料理
刻んでやろう
ざくっと ざくっと ざくっと ざくっと
刻んでやろう
今日のお鍋に入れる白ネギを
留守電だった友達の電話を


刻んでやろう
ざくっと ざくっと ざくっと ざくっと
生活と仲良くなったわたしが


もう誰も傷つかないように



自由詩 生活 Copyright ナカツカユウリ 2010-10-27 11:36:36
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