Moon River 
服部 剛

青い便箋に綴られた 
君の手紙を読んでいたら 
背後に置かれたラジオから 
Moon River が、流れた。  

君のお父さんに書いた手紙と 
僕のつくった詩集に 
想いを震わせた君が 
ペンを手に取り、封筒に忍ばせた 
返事を僕はいつも、鞄に入れて 

日常の旅の最中さなか 
時折腰を下ろした場所で 
ひと息ついては 
暖かい紅茶を啜りながら 
君の丸い文字を、味わっている 

( たとえ今は離れていても
  いつだって僕は・・・  ) 

ほら、明かりを消したこの部屋の 
開いた窓の隙間から 
Moon River の淡いひかりに照らされて 
机に広げた君の青い便箋が 

折り目を支点に 
夜風にゆらり、傾いた。  










自由詩 Moon River  Copyright 服部 剛 2010-10-24 00:08:38
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