比喩とミルフィーユ
瀬崎 虎彦

青を背景にまっすぐな道路が
斜面を登っていくのだけれど
いずれ天に触れそうなところで
消えてしまうとわかる

長い橋を渡りながら
巨大な甲殻類の内側で
対になる脚を数えていても
韻律は揃いっこないんだ

薔薇とミルフィーユ
エデンなどさも知らぬげに
午後僕たちの愛した自由が丘で

朽ちる庭園の園丁に言ってやる
もう花の手入れはしなくてもいいと
もう花を見る人は誰もいないと


自由詩 比喩とミルフィーユ Copyright 瀬崎 虎彦 2010-10-22 00:04:11
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