ある日
さつき

今日を時給に換算して生産性を上げるために空洞だらけの脳内の
途切れ途切れのシナプスをスティックノリとホチキスで応急処置して
電源入れても乾電池がとっくに腐ってたなんてよくある話でもう笑えない

明日の年金を計算して悠々自適な余生のために麻酔かけまくった神経の
途切れ途切れの現実感を過剰な睡眠薬と安定剤で救急処置して
目を覚ましても感情がとっくに腐ってたなんてよくある話でもう馬鹿みたい

ただ単純にまっすぐ歩くにもこんなに膝が笑ってよろけてぶつかったりするのに
まして階段を上ったり下りたりなんてそんなこと自傷行為の代替行為?
御守り代わりの薬3錠、ポケットを確認してまた歩き出す予定が詰まってる

ただ単純にまっすぐ生きるにもこんなに思考がよろけて転んで座り込んだりするのに
まして感情を這わせたり飛ばしたりなんてそんなこと自殺未遂の代替行為?
切り札代わりの手紙3通、カバンを確認してまた歩き出す日々が詰まってる

たった一つの正解しか存在しないと思い込む私は臆病者で動けないまんま幾年月
原因不明で支離滅裂で曖昧模糊な思考感情その他諸々
御守り代わりの携帯一つ、移った体温を握りしめてまた歩き出す明日が待ってる


自由詩 ある日 Copyright さつき 2010-10-21 23:19:59
notebook Home 戻る