「この世界」(はっとりんおめでとうリミックス)
たちばなまこと

秋を洗う
ダイヤモンドの花
プラチナの雨
慈愛





このオレンジの果てを
思う
果てに止まない開花があるとして
それが 想像が及ばないほどに 美しいとして
その手前
太陽は
となりの国への去り際に
その身のかけらを零してゆく
空の深さにその濃淡
かすれた雲を染め
新しい肌を撫でる 風を呼ぶ
からだの中すらも 撫でられるような ここち
この世界はきれい
細胞のたくさんの針穴に
風の糸が通されてゆく

休日に解放される屋上駐車場
人々は連休に浸っている
大切なひとと一緒に
大切なひとに会いに
大切な土地の記憶を重ねに
いったりきたり
この世界に
会いにゆける

手を取り合って
輝いたり溢れたりして
乗り越えてゆける
それはとてもきれい
だから
あなたも
あなたたちも
あなたと あなたたちの 大切なひとたちと
お正月にも金色のお休みにも
夏休みにも銀色のお休みにも
それから 末広がりに 何年も何年も先にも
会えますように
無事に過ごせますように
笑っていられますように
この世界に受け入れられ続けることの
苦悩と喜びに溢れ
愛に泣けることを知る旅に
挑めますように

手を取り合って
輝いたり溢れたりして
ときには泣けることも
それは
それはとてもきれい




自由詩 「この世界」(はっとりんおめでとうリミックス) Copyright たちばなまこと 2010-10-18 08:25:29
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