生命
朧月

名前もつけずに飼っている
その存在は大切すぎて
呼べないのに抱きしめている
離れるのがこわい

いつかいなくなる
短い命のあたたかさを
忘れるぐらい冷たい雨に
ずっと濡れていた

あなたが大事だから
あなたを自由にする
あなたが ゆきたいところへいって
あなたのまま笑ってて

名前もつけずに飼っている
その存在は大きすぎて
呼べないまま抱きしめている
離れたくない

いつか消えてゆく
お互いの命のあたたかさを
確かめるようにそっと
触れる



自由詩 生命 Copyright 朧月 2010-10-17 09:40:57
notebook Home 戻る