僕らは終わりゆく夏の片隅に凭れている
空中に半透明の骨がいくつか漂っている
(時々うっすらと虹色を帯びて見えたりする)
何が朽ちたあとに残った骨なのか などと
僕らはもう考えることもな ....
 無数の車が海になだれ込んでいた
 カプチーノの氾濫
 暴走した都会
 エス、ケープとカレーション


・涅槃・・


ちりちりと水位が増す
いつか髪は乾かないときがきて
それで ....
ノートに身を投げましては
冬の景色になみだを浮かべる
あなたの口に添えた言葉を
死なせてしまった

息を止めて泳ぐ生活のなかで
このわたしに
はじめての名前がつきました

やわら ....
 
 
空の化石を
定規で測る
本棚に
古い指紋
人がいた
人はいた
肩幅の広さに
干されたままの
下着類
飲み物のない
簡単な食事を
フォークで
唇に運ぶ
言葉への失 ....
電車内、「あの子リスカしたらしいよ」と吊革を掴んだ左手に包帯を巻いた女の子をけばけばしい睫毛の下の小さな二つの黒目で刺しながら女子高生が大きな声で言った

夕闇の中を軋みながら走るぼろぼろの電 ....
  月の光に飽きてしまい
  深く眠りにつくと
  君が
  僕の手を切断し
  それを使って一篇の詩を書いた



  朝、
  それは元通りに
  手首にくっついている ....
思ったよりも 世界はきょだいだった

わたしの知っている世界はちっぽけで

まるで うすいぼろを着ているようだった

さむかった


ほほをつたう涙だけが 温かかった

やさしか ....
降り注ぐ彩度に飼い殺される

彼らは非道く鋭く
私の呼吸を奪っていく

刺さる、沸騰する空気の上に
墓標だけが白々しい

沈黙が朽ちる
本能だけが蹂躙し、何も残らない
「いただきます。」

そういいながら私は箸を突き立て
食卓にのぼった魚の目の中をじっと見る。

魚はもちろん死んでいて、魚の目には
私がはっきり映っている。

果たして私は
私の中 ....
水槽をぶん殴る女の子
届きもしない 白百合の揺籃
録音された声が漂う館内
あの子の死んだ声帯

―――わたしの髪は鉛のように重い
――どうかどうか泣かないでいて
―いまから眠る/共犯者で ....
 手術室を溶かしたような色の、底の見えない湖へ知らない女と入水する夢をみていた。泳ぐつもりだったのか溺れるためだったのかはわからないが、女は幸せそうな顔をしていて、おれはそれを見ていたくないがために、 .... スクリーンの少女が吐き続けている青いゼリーを唯一の光源とした地下室の底を 全身の血を逆流させるようなシンセサイザーの息づかいが 脈々と這い擦っている 水槽に閉じこめられたおまえは ガラスの壁を両手でひ .... 土のにおいの月がいくつか
夜から朝へと転がってゆく
鏡を造る鏡
暗い水と溝の道


星と星のあいだのむらさき
へだたりと境の腕
羽と羽のあいだに起ち
剣のように
 ....
黒になりたい
白い隙間の欠片もなく
闇に溶かすと
綺麗に混ざり合ってしまう
何者も恐れないほどの
強い黒になりたい


黒になりたい
パレットに佇む
すべての絵の具と
交 ....
光が運ばれている。

進行方向の反対側から、ふつふつと泡のように
ほどけて流れてくるものがあった。あれが街灯。
ひとびとは円く集い、なくした星のかたちを思
い出そうとしている。(それはあくま ....
きみには本来だれもいなかった
血を分かつはずであった兄や姉はもう先に、
緑色のはなたれた地平で仲よくみつめあって
いた。ほとんど恋人のような握りかたの
手と手

かたくリボンで結 ....
 
 
わたしが
しあわせになるために
ぎせいになった
きみへ

わたしより
としうえというりゆうで
きみはいのちを
ゆずってくれた

うまれなかった
あによ
いつからわた ....
「あ」

貴方が最初に発した音が
悲鳴だったか
歓声だったか
知らないが

「あ」

貴方が最初に発した音は
今頃ちょうど
さそりのしんぞうに
突き刺さる



… ....
名前もつけずに飼っている
その存在は大切すぎて
呼べないのに抱きしめている
離れるのがこわい

いつかいなくなる
短い命のあたたかさを
忘れるぐらい冷たい雨に
ずっと濡れていた

 ....
床一面にれもんを敷き詰めて
その上に氷砂糖を一個ずつ並べた


夜を越えて朝が来て
カーテンを開けて
日の光でキラキラと輝く

朝露の夢

きれいね

透明なしずく

おは ....
未来には まだ誰も居ない

存在は過去と今だけ

未来には まだ誰も居ない
 
影になればいい
私自身が影に
お日様に背を向ける
地球の様々な国のように
影になればいい
影が
影が
影が私

結局私の母も
影で通した

ずっと輝かせてくれてありがとう
も ....
いつか出来た傷を
放っておいたら
ささくれ出来た
削ぎ落として
少しだけ痛いなら
きっとまだ正常だから

安心して
夜 お手洗いに起きて
階段をトントンと
降りた

リビングでひそひそと
話す
父と母の声が聞こえた

 あの子は冷たい子だね

母は言った

一瞬 なんのことか
わからなかっ ....
本当に無意識に心の爆弾が破裂した日、我が何処かへ行ってしまった。

暫くして初めて本気である特定の人間を怨んだ。

全てを失った日、その人間を殺しに行こうと思った。

でも結局は精神安定剤 ....
 
 
死に目に会えなくて
後悔してるなら
その数分前
まだ意識があった時に
電話すればよかったのに
できなかった

ここ数年
父に電話したことがない
理由は
ただ照れくさくて ....
何も無い場所から 何かが生まれる時に
気づかない振りして 遠くを見つめてた
星空を眺めて 数え切れないぐらいに
てのひら一杯に 幸せを掴みたい

春夏秋冬一年が経ち みんな変わっていくその中 ....
風のなかで朝が目覚めた
 光のそとで夜が深まった

ウォーキングの往路でわくらばを食べた
サイクリングの復路で血痰を吐いた

上り坂でペガサスの小夜曲をハミングした
   下り坂でさそり ....
破片が
 離れる
  飛び散る
 近づく
離れる
 破片が
  近づく
 離れる
飛ぶ 落ちる
 触れる 消える
破片が   消失する
 破片が   消え去る
破片が   同一 ....
どうして真夏に雪が降ったらいけないのかわからないけどいけないらしいんだ。
そんなことを考えてたらぼくってそれに似ているかも、なんて思った。
いけないのはぼく。異常なのはぼく。わがままなのもぼく ....
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
晩_夏- 塔野夏子自由詩9*12-8-25
ウォーター、追憶する- ayano自由詩612-5-4
空白にする- りこ自由詩311-12-30
部屋の空気- たもつ自由詩1011-10-4
電車/日常/自殺- つみき自由詩211-9-22
滑らかさ- 草野春心自由詩311-7-28
独りになった時- くろきた自由詩411-7-23
楽園の外- ゆえ自由詩2+*11-6-23
いただきます、ごちそうさま物語。- 吉澤 未 ...自由詩211-6-11
夏の水葬館- ayano自由詩811-6-11
踊り子トマト- 魚屋スイ ...自由詩9+11-4-26
クラゲチアノーゼ- 魚屋スイ ...自由詩811-4-19
ひとつ_約束- 木立 悟自由詩1511-1-19
黒になりたい- 寒雪自由詩310-12-31
going_down- アオゾラ ...自由詩710-12-21
かぎられた就寝- しもつき ...自由詩1610-11-8
犠牲者- 小川 葉自由詩410-11-6
- 亜樹自由詩210-10-26
生命- 朧月自由詩210-10-17
おはよう- 暗闇れも ...自由詩210-10-11
- 徘徊メガ ...自由詩410-10-8
- ナカツカ ...自由詩310-10-4
ささくれる- 泡沫自由詩3*10-9-26
冷たい子だね- 森の猫自由詩7*10-9-26
自分の為に- ヒヤシン ...自由詩1+*10-9-24
距離- 小川 葉自由詩510-9-17
何も無い- SEKAI NO RET ...自由詩110-9-16
沈んだ四次元- 信天翁自由詩110-9-11
破片- 佐藤伊織自由詩210-9-5
真夏の雪- ゆうと自由詩1*10-9-3

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