夜を泳ぐ
まりょ


半年振りの雨が降って
息が寒い
こんな日は






やり場をなくしてから
行動がおかしくてたまりません
ないたりすがったり
だれでもよくなったり
なのにいちどもいけなかったこと
ただ手を握っててほしいとか
横で眠らせてほしいというのは
ちょっとわがままですよね





寝坊した
靴下に穴が開いてた
絨毯の上でコーヒーをこぼした
冷蔵庫で雪崩が発生した
定期を忘れた





舐め合い、
傷付け合うのを知っていて、
それでも前に進めないのなら、


しぬっきゃねーよなー


と、ぎざぎざのナイフを構え
りんごでも剥くことにした

うまくいかないことばっかりだよ





拝啓、おかあさん

さむくなりましたが、お元気ですか


こんなむすめでごめんなさい





雨が降る雨が降る
びしょびしょの世界で
やっぱりかわいたままのわたしだけれど
水溜りをよけて歩くほど
悠長なこともしていられないので
飛び込んでいこうと思う
そうして夜を泳ぐ

 
 


未詩・独白 夜を泳ぐ Copyright まりょ 2004-10-21 12:23:04
notebook Home 戻る