似非者たち
アラガイs


明日食えなくなれば
君、きみは白く
きちがいになればいい
記憶の在処を忘れた痴呆老人のように
惚けた役者を演じてやればいい
そうすればきっと誰かの目に止まり
こちらから
施しの言い訳を訴えることもないだろう?

世の中は希望と善意に満ち溢れ
模造の花は咲き誇り
曇り空を眺め独り呟けば
うかつにも太陽は沈む
生き生きとした絵のような夜は必ずやってくるのだから


もしも
あなた
明日死にたくなったなら
あなたは気ぃちがいになればいい
水溜まりの泥水で顔を洗い
わけの解らないことばを吐きながら方便の汗を撒き散らし
虚仮威しのペーパーナイフを握りしめて
人混みの公園辺りを彷徨いてやればいい
それをやり通すだけの覚悟があなたにあるのなら
快適な檻のなかで
一生安住の暮らしができるではないか

怒る文字はない
けっして
白い布を信じるな









自由詩 似非者たち Copyright アラガイs 2010-10-09 04:08:28
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