thinking about Love
Akari Chika

フルーツサンドを食べたら
急に彼に会いたくなった
キウイの色が眩しくて

もう何日も会っていない
彼の顔が見たい
会いたいよ
会いたいよ
そう思うけれど
仕事で帰りが遅く
彼の家は中途半端に遠く
電話の声は疲れているようだ

不満が募る一方
ふと気付く

会えない理由を作っているのは私のほうだったのだ

どうして
勘違いしてしまうんだろう

愛は
プレゼントのように
貰ったら
お返しする
そういう仕組みじゃない
けれど

自らへの愛を
相手への愛と
決めつけてしまう

私が
踏み出せないのは
気遣いではなく
リスクを伴う行動に
迷っていたから

愛は
ブランケットのように
寒いときだけ
欲しくなる
けれど

インターフォンのように
押したら
出てくる
そういう仕組みが
今のところない

愛は
ヤカンのように
沸き出したら
止まらない
ときがある
けれど

氷のように
知らぬ間に
跡形もなく
溶けてしまう
こともある

愛は
シュガーのように
一粒じゃ
物足りない
けれど

シューズのように
何足あっても
嬉しい
ものでもない

愛には
プリンのように
突然食べたくなって
買いに走る
そういう仕組みも
今のところない

愛は
辞書のように
辿り着くまで
何ページも
めくらなければならない
けれど

薄い紙をめくり続け
ようやく
その温もりに
触れたとき

初めて 本当の意味を知る

私はまだ
最初の一ページを
めくったばかり
だけれど




自由詩 thinking about Love Copyright Akari Chika 2010-10-08 00:56:12
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