thinking about Love
Akari Chika
フルーツサンドを食べたら
急に彼に会いたくなった
キウイの色が眩しくて
もう何日も会っていない
彼の顔が見たい
会いたいよ
会いたいよ
そう思うけれど
仕事で帰りが遅く
彼の家は中途半端に遠く
電話の声は疲れているようだ
不満が募る一方
ふと気付く
会えない理由を作っているのは私のほうだったのだ
どうして
勘違いしてしまうんだろう
愛は
プレゼントのように
貰ったら
お返しする
そういう仕組みじゃない
けれど
自らへの愛を
相手への愛と
決めつけてしまう
私が
踏み出せないのは
気遣いではなく
リスクを伴う行動に
迷っていたから
愛は
ブランケットのように
寒いときだけ
欲しくなる
けれど
インターフォンのように
押したら
出てくる
そういう仕組みが
今のところない
愛は
ヤカンのように
沸き出したら
止まらない
ときがある
けれど
氷のように
知らぬ間に
跡形もなく
溶けてしまう
こともある
愛は
シュガーのように
一粒じゃ
物足りない
けれど
シューズのように
何足あっても
嬉しい
ものでもない
愛には
プリンのように
突然食べたくなって
買いに走る
そういう仕組みも
今のところない
愛は
辞書のように
辿り着くまで
何ページも
めくらなければならない
けれど
薄い紙をめくり続け
ようやく
その温もりに
触れたとき
初めて 本当の意味を知る
私はまだ
最初の一ページを
めくったばかり
だけれど