スペインの夜
吉岡ペペロ
真向かいにすわると遠く感じられた
目をあわせるのが居心地わるかった
スペインの夜はにかいめだった
ぼくはまるで中二の秋だった
彼女のうしろでは予約客たちが
食事を楽しまんとしているところだった
髭の上司や髭のナンバーツーっぽいひとが
笑いながらほお杖をつきながら大人だった
ぼくはこんなに美しい彼女をまえにして
まるで中二の秋だった
そのことを知っているのは
給仕のおんなとぼくと彼女だけだったはずだ
自由詩
スペインの夜
Copyright
吉岡ペペロ
2010-10-03 20:47:54