メルヘン/ドッグ
アラガイs


海岸通りを飛ばせば
忘れられた緑のなかに館があったよ

どこにでもあるようなメルヘン

車で通るたびに見ていた

どこかで見たような顔はもう思いだせないよ

幸せか不幸せかなんて
その顔をみればわかるもの



詩人がお店を出したよ 。

忘れられた街の片隅

詩人が出す店は小さな黄色いホットドッグ屋さん

緑色の看板には「プレッツェルロジック」

味に自信はあってもお客はさっぱり

目立ち屋がりなチューリップもうわの空

開店早々地面を眺めてしょげてたら

子犬を連れた小さな女の子が
百円玉ふたつ手にして買いにきた

うれしくて
うれしさのあまり詩人はもひとつオマケしたよ

ロールパン特大チリソーセージ
キャベツもレタスもいっぱい詰め込んで


その上に真っ赤に熟したイチゴをぽんとのせたなら

あらまなんだか
風にぽろりと
小さな涙が
こぼれおちたよ









「プレッツェルロジック」 スティーリーダンのアルバムタイトル曲



自由詩 メルヘン/ドッグ Copyright アラガイs 2010-09-28 00:01:53
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