デジタライズな人生 (物理学的に。頭が痛くなるかも…)
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 階段を昇るとき、その変化の最小値は1段で、0.5段や1.5段などと中途半端には昇ることはできない。本のページ数なら1ページ、本の数なら1冊だ。では、常に私たちの身の周りで滞ることなく進んでいる時間の最小値はどうであろうか?私が高校生の頃そんな事をふと考え、物理学の先生に質問をしてみた。

−予備知識として− 興味のある方だけどうぞ
 【時間の話と言えば、相対性理論や特殊相対性理論などが引き合いに出され、私たちを不思議な時間の世界へと連れて行ってくれる。そしてこの理論は時間と空間、質量がそれぞれに密接な関係を持っていることを示している。これは物体が慣性を受けた場合、それぞれの物体を相対的に考ると時間の流れが変化するというもので、簡単な方程式より、時間の流れが変化したわけではなく、空間の大きさが変化したともいえる事を示している。これが時間と空間の関係を示唆している。また電磁気学より質量と光の速さの関係も示すことができる。光の速さは相対論を考える際に重要な位置を占めている。】

 先生は少し考えるとこう言った。「事象に変化が見られなくなる時間が最小の時間じゃないかな。」なるほど、何も変化が起こらないほどの短い時間を測定しても何の意味もない、何も起きていないのだから。事象の変化は物体が空間を占める位置の変化である。どんな反応をするにしろ、物質の変化は空間的にあらゆる変化を及ぼす。ということは、空間的な広がりの最小単位が時間の最小時間と関わりがあるということになる。空間的な広がりの最小単位とは、実は不連続なのである。1の次は2、その次は3というように。量子力学という学問は物質の変化が、不連続的に起こることを論じている。

 つまるところ、我々の生活は途切れる事の無い川の流れのように続いているように思われるだろうが、実は時間的にも空間的にも質量的にも不連続に変化をしているのだ。例えに引用した川の流れすら不連続に流れているのだから、もうどうしようもない。何もかも実はデジタルだったのだ。それを考えれば、我々の生活が全てデジタル化されていくのは、なんとも運命的なものを感じずにはいられなかったり云々…


散文(批評随筆小説等) デジタライズな人生 (物理学的に。頭が痛くなるかも…) Copyright Tシャツ 2004-10-20 00:28:07
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