雲母水母・きららくらげ
海里

軌道エレベーターの名前はラプンツェル
彼女のケーブルのワイヤーを借りて
フラーレンとか
カーボンナノチューブとか
ああいうので布を織ることはできないだろうか

ふわりと
飛行機から飛び降りても
何かにぶらさがるものだと結局は落ちていくだけだし
頭の真上は見えないからね

ミウラ折り素早く展開させた上に
お花見みたいにごろんと寝っころがって
積乱雲の天辺からそのまたもっと空の上を
眺めてみたい

入道雲の頂きは1万メートルぐらいだったか
ヒマラヤを越えて飛んでいくツルがいたよね
夜光雲がかかるはず
空はもっともっと青いだろうし
ああそうか、エベレストよりも寒いはずだね

それでもいつか
雲に乗りたい
スーパーセルの最先端でなくてもいい

グライダーやメーヴェがただ風に乗るように
空気を閉じ込めることなく捕まえてみたい

 
「短冊と落とし文月」より。


自由詩 雲母水母・きららくらげ Copyright 海里 2010-09-20 20:49:39
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