くろがね
しべ

南部風鈴の音
風に乗せ
山越え
きーんと鳴る

見るも無惨なお前の笑顔
腕は白い
うちひしがれた隣に空が
はっついてる
いっときも目を逸らすな
言ったのに

泥のように夕日を沈めて
蜜柑は鉄器の冷たい夜へ

お前は
庭の花火を月にあてて
死んじまうんじゃないだろな


自由詩 くろがね Copyright しべ 2010-09-09 18:39:12
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