ガリガリ君のようなもの
nonya


ときどき
風のように想い出す


のようなもの

唇をとんがらせて
僕でない何かを
見つめてばかりいた

あの頃
あまりにも痩せ過ぎていた


のようなもの

すぐ目の前にある
君でない何かを
追いかけてばかりいた

二人して黙りこくった夏
のようなもの

アイスキャンデーが
溶けるのにも気づかずに

遠のいていった蝉の声
のようなもの

今ならたぶん
君の見つめていたものが分かる

ときどき
風のように想い出す


のようなもの

甘いソーダの匂いが
鼻をかすめたような
そんな気がした




自由詩 ガリガリ君のようなもの Copyright nonya 2010-09-04 15:22:33
notebook Home 戻る