あまりりす
瑠王

遠く山のいただき
待ち焦がれた炎は消え
緑立つ少年の波は
今や金色の秋に燃え
激情は嵐を忘れ
ただ思い出を吹きすさぶ

燐光、空たかく
せいのびせども
つまさき立っても
神の膝には到底およばず

(あまりりす あまりりす はやくそこからでておいで)


遠く山のいただき
眠る蕾みは焦がれ死に
其処に立つ少年の脈は
今や夕凪の紅に映え
緑の時代の円形劇場は
ただいばら繁げ空虚なり

燐光、空たかく
散漫な祈り
しらぬい浮かべども
神の膝には到底およばず

(あまりりす あまりりす はやくそこからでておいで)


自由詩 あまりりす Copyright 瑠王 2010-09-03 14:53:24
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