君へ
桜 歩美

歩いてきたね、もう10年。

いつも一緒の歩幅で歩いてきたね。

いっつも一緒。

君と同じ足取りで。

失敗しては泣いてるお母さんの私だけど

君はいっつもだぁいすき。

どんなに家事が出来て美味しい料理が作れても

ほかのお母さんじゃだめなんだ。

僕のお母さんが世界で一番!

君はこんなダメな私のことをそう言ってくれました。

君がくれた一輪のバラの花に涙したあの日。

私の手をつないで嬉しそうに微笑む君。

授業参観で少し照れくさくなってきて

顔を赤くする君。

でも私のところへ来てくれる。

私が来たことへありがとうと言ってくれる。

君の喜びは私の幸せ。

君の幸せは

私の生きている証。

もうお母さんの肩まで背が届きそうな君。

とても大きくなったんだね。

あんなにちっちゃくって

いっつも抱っこばっかりしていた君が。

チャイルドシートに毎朝乗せて通った毎日の保育園の日々が

懐かしく思える日が来るなんてね。

幼いころの君はいつも笑顔で。

よく泣いて。

保育園で朝別れるときに泣き叫んだ半年間。

胸が張り裂けそうでした。

今はときおり夏休みの学童へ車から降りると私へ軽く手を振ってくれる。

こんなに大きくなったんだね。

お母さんちゃんと君を育てられたね。

本当に不安と心配ばかりだったんだけど、

でもなんとか君を毎日愛することが出来たと思う。

私が君を愛し続けることが出来るのは

君がそのおんなじ分だけの愛を私にくれるからなんだ。

君がくれる私の存在の意味の証は私が何度もくじけそうになったとき

いつも助けてくれました。

私にど根性を植え付けてくれたのは

君でした。

途中でくじけてたまるもんか。

こんなに可愛い君がいるのに。

投げ出してたまるもんか。

そう思って乗り越えて無事に来ました。

あと10年も頑張ろう。

君が大人になる日まで。

ちゃんとしっかりお母さんは頑張りますよ。

君が大人になる日まで

君のことを見届けさせてね。

たとえ君にどんな苦難があろうとも

私はともに乗り越えていく力を

この君と乗り越えてきた10年からもらうよ。

本当に

私の子供に生まれてきてくれて

ありがとう。

心から愛してる。

大好きだよ。

君へ。



自由詩 君へ Copyright 桜 歩美 2010-08-28 18:57:03
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