夕目
うずら豆

隣のビルが見つめている
夕焼けの頃
熱い視線で

緋色の丸い目玉
上から下に舐めるように

ニヤリと笑うエントランス
時々人を喰っている

宵闇が訪れると
目玉は見えなくなり
沢山の人を吐き出す

毎日この一刻
僕は隣のビルに
視姦された屈辱を感じる

飛び立てないケージの中で



自由詩 夕目 Copyright うずら豆 2010-08-28 11:59:29
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