ションベンひっかけて
虹村 凌

笑い飛ばしてもいいからちょっとだけ聞いてくれねー?
マジで君をチョー愛してたと思う事が何度かあるんだよ
今だって君とチョーヤりたいし
いや実際に会うと緊張しちゃって何も喋れないなんて言う
チョー童貞少年みたいな感じになっちゃうんだけど
二度と君の事を喋らないなんて言ったけど繰り返し喋る
だって君と僕はマーシャルのアンプにつないだグレッチみたいに
きっとフィードバックがチョーうるさい感じできっと合わないからさぁ
でもチョー綺麗な君と一回くらいセックスしたかったなと
チョー毎晩チョー思うけどチョー後悔したってチョー何も始まらない

でね
例えばさぁ
僕がとあるブログのチェックを再開した途端に
停滞気味だったそのブログの更新頻度が上がると言う事を
運命と捉えたいロマンチストと
偶然と捉えるリアリストの存在を認める事が
とても重要だよね
みたいな感じ
その偶然が続けば必然と言えるけど
しかし必然は運命ではないよねぇ
運命って何さ
命の運びって何さ
運ばれる命なのかね?
わかんねぇ
面倒くせぇ話して悪かった

もうちょい聞いてくれ


全身管だらけにしながら点滴臭ぇ真っ透明のションベン垂れて
やっと管を外されたと思ったら
今度はビタミン臭ぇ真っ黄色のションベン垂れたりしてる
ガサガサの声で笑ったり唸ったりする
聞きにくいだろ?
悪いな

唇を離してから下手でごめんねって笑ったじゃん?
そんな捨てられた犬みたいな目をするなよって笑ったじゃん?
もうオマエに話す事なんて無いって笑ったじゃん?
今でも好きなんだよね
笑うなって

***

酒を飲めない俺はコーラを飲みながら
下らないポエムにも歌詞にもならないものを書きながらポテトチップスを齧る
自分でそう言ってしまう卑怯さの自覚があるから尚更手に負えない
始発の電車の音がその意識さえも運んで行く
未練たらたら湘南台の空にぶちまけた妄想
未練たらたら赤羽のアパートに置き去りにした夢
未練たらたら牛込神楽から引きずったままの夢
未練たらたら新宿の喫茶店でしみになったままの夢

あの日の俺みてぇな童貞達が繰り返している以前の光景を眺めながら街を歩くけれど
相変わらず落ち着く場は無くあてもなくブラブラしている状況は変わらない
味覚音痴なビッチ達が髪の毛を濡らしたまま
アメリカの上澄みを全身に塗りたくった包茎達をぶら下げて薄笑いを浮かべている

ざまぁねぁや
国会にションベンひっかける度胸も無ぇ俺は


自由詩 ションベンひっかけて Copyright 虹村 凌 2010-08-23 22:03:00
notebook Home 戻る  過去 未来