新しい あるいは 同じ世界
美琴

ある日 目覚めると
世界は少し 変わっていた。

ある人は そう思って
すべてを好奇心の目で見る。

毎日 目覚めは同じで
世界はいつも 同じ顔をしている。

ある人は そう思って
すべてに無関心の目を流す。

変化している。
誰かにとっては。
変化していない。
別の誰かにとっては。

細部に目を向ける人は
小さな変化に気づく。

それは特別な事ではなく
何に関心を持っているかの違い。

ある人にとっては
日の出の時間。

ある人にとっては
庭の木の新芽。

ある人にとっては
子供の成長。

ある人にとっては
傷の治り具合。

ある人は気づいて
ある人は気づかない。

誰もが同じ世界で生きている。
でも
誰もが同じ世界を見てはいない。

今日も目覚める。
新しい世界に
あるいは
同じ世界に。


自由詩 新しい あるいは 同じ世界 Copyright 美琴 2010-08-21 22:03:56
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