ヒメジオン
瀬崎 虎彦
この肉体のさなか
誠実と不誠実が
ヒメジオンを踏みつけて
長く伸びる線路の
枕木を踏んでいく
くるぶしから流れる血を
青すぎる空にかざす
鉄とヘモグロビン
緑の上を風が渡り
枕木を踏んでいく
セミの声を聴きながら
夏のカーテンをはらう
滴る汗の味を
懐かしいスープの味を
思いながら枕木を踏んでいく
自由詩
ヒメジオン
Copyright
瀬崎 虎彦
2010-08-09 12:23:37