境界線
朧月

普通になりたい
うつむいてあなたは言う
小さな小さな声で

普通ってなんだ
なんて問えるだろうか
障害がある
と告げられた彼女に

決めたのは
普通の側ではないのか

なにが
もわからないままに
もつ側に私たちは置かれた

苦悩とは本人の涙
乾かすのは どんなものなのか
私はただ そこを動かないで
見つめていた きいていた

彼女がふたたび
顔をあげて すっくと立ち上がり
髪をかきあげるまで

私たちは いつでもここに
境界線を踏みながら語ろう
あなたという友人が
私にいることを誇りに



自由詩 境界線 Copyright 朧月 2010-08-04 14:45:17
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