流線形のさかなのそら
umineko

ある種の魚は流線形で
泳いでいないと溺れるらしい
そのために
むなびれも
尾びれも
つやつやと 光る

人魚は奇形だと誰かがいう
交差する足がないので
ソファーは苦手
ぺとり、と
寝そべる
難破船に

あの水面の向こうを空と呼ぶ
私も何度かそこをみた
息苦しいだけの空間
たよりない 軽さ


私は泳いでいる
流線形だから

向かうところは
どこにもないから

海の上で
魚が光る


まっすぐ





自由詩 流線形のさかなのそら Copyright umineko 2004-10-15 07:52:42
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