共存
瑠王
領域を徐々に侵してゆく不均一な煙のような
その渇きは
意識の最も深い階層に砂の粒はあふれ
ああかつてのそこはなんであったか
今を放浪する怪物の名は私の三分の一足らず
どうして気づいてしまったのか
ただちに放たれた虎の名は私の三分の一足らず
怪物を追うために放たれた三分の一の響き
それを上から眺める空の瞳
その名はまた私の三分の一足らず
ぽろぽろと流した涙で徐々に密林は生まれ
やがて構築する三分の一の慈しみ
怪物よ、影に還れ
虎よ、喰い殺してはいけない
均衡を保ち共存しろ
この意識さえ数え切れない階層のひとつに過ぎない
新しい名前など決して生まれてはこない
均衡を保ち共存しろ、世界は変わらない
自らの名のもとに各々の役割を全うして
地獄でも楽園でもない均衡を
誰かの名を声にしそうになっても
各々の役割を忘れるな
何億分の一の鳥
何億分の一の風
全て自らの名のもとに
共存するひびきかたち