夏みかんサボテン女
蒼木りん

ちゃん付けで呼んだのに
んー?と不機嫌な返事をした
おまえ
あたしの半分しか生きてないのに
生意気な奴だ
「オ マ エ ナ ン カ キ ラ イ ダ」と
心でつぶやく
そうか
おまえもあたしが嫌いなのか
多分そうじゃないかと思っていたが
なるほどな
いまはっきり分かった
嫌ってるやつの匂いは
10ちゅう8っ9嗅ぎ分けられるんだから

サボテン
まあるいサボテン
2センチくらいの小さかったサボテン
大きくなった
あたしがかまわなくなったんじゃなくて
あんたが勝手に
自分のにしちゃったんだ
どうでもいいなら
この家に連れてこなかった
私の気持ちなんか
だれも分かっちゃいない
そお言うあんたは
自分不幸が好きなだけ
ありがた迷惑って知らないのかな

あたし
なんであんなにバカだったんだろう
肉食は草食のふりして
草食のふりした肉食を喰らいに来る
こんなこと
端末じゃ当たり前で
まじめに考えなくてよかったんだって
これって非日常
テレヴィジョンのなかの設定
肉が食べたい時に肉はなく
草ばっかりで飽きたから
恋に似た甘いもの食べてたら
病気になりそうだよ
急に血圧下がる感じ

刺激が欲しかっただけで
あんまり深く考えてなかった
のに
深刻な問題になってしまって
人生って
何が起こるかわかんないね
自由でいたいね
なんか違うね
あたしふところ深いし
寛容だよ
だって大人だもん
あんなになりたくなかった
大人になってみたんだもん
凄いでしょう



自由詩 夏みかんサボテン女 Copyright 蒼木りん 2010-07-09 23:48:54
notebook Home 戻る  過去 未来