べとべとの海
はるな


空にあいた無数の穴をながめていると
はちの巣をかむった少年がやってきて
このせかいの嘘を教えてくれる

わたしは鏡のまえに立ち
うつったものを分割する
 ハチ ハチ ニ 4 ? 六 キュウ

べとべとになった根元を
海が  洗い流してゆく

分割されて穴だらけになった世界で
いったい何が大事だというのだろう
ながめているわたしに少年が教える
死をかむったはちの巣がやってくる
根元にべとべとの海が寝返りをうつ

 40 五十 六じゅう三

無数の穴になったわたしをながめて
いると海がやってきてべとべとの少
年を大事に分割しはじめる。はちの
巣にうつった鏡が寝返りして死がつ
いにせかいの嘘を洗い流してゆく。




自由詩 べとべとの海 Copyright はるな 2010-07-05 01:15:11
notebook Home 戻る