雨の音
八男(はちおとこ)



雨の音とひとつにならなければ
そう思って2階で浮かんでいた


梅雨の2階は熱気でいっぱいだ
2日に1回はムカデが出る トイレに流す


頭は爆発寸前の気球のようだ
雨の音とひとつにならなければ


ピアノの音が1階から聞こえる
侵入しようとしていたムカデはびびって外に


雨の音
窓を開けても熱気は逃げ切らない


雨の音とひとつになれているのか 
なれていないのか


なれているとも言えないし
なれていないとも言えない


熱気で揺れている私の頭のように
雨の音になれているのかなれていないのかが揺れている


しかし近頃は
ひとつにならなければならないという気持ちが
だんだん湧かなくなった


この 雨の音が好きだ





自由詩 雨の音 Copyright 八男(はちおとこ) 2010-07-04 02:24:17
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