花束
たもつ
時計の断面が落ちている
側に誰かの置いた花束がある
初夏の陽射しは影をつくり
わたしはわたしの影を
地面に埋めていく
勝者などいない
敗者だけの戦いが終わったのだ
イワシの缶詰を買って
レシートとつり銭を受け取る
わたしの手は
壊死が始まっている
自由詩
花束
Copyright
たもつ
2010-07-03 18:36:50
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