ほんの少しの感想でいいなら。
小池房枝

感想屋さん、始めました。
感想屋さん、始めましょうか。

冷やし中華じゃなくて
ほんの少しの感想でいいなら。
ほんの少しの愛でなくてもいいなら。

ごめんなさい、
よくわかりませんでしたとか
ごめんなさい、
ゆえあって××を思い出してしまいましたとか

このかなの並びが美しいですねとか
このカタカナ語がどしても使いたかったんですねとか
すみません、これ、漢字、違ってませんかとか

そうですね桜咲きましたねー、とか
そうですね秋になりましたねー、とか
人生ですねー、とか
恋ですねぇ、カッコあなたの、とか
このいやでいやでたまらなかった思い出が大事なんですね、とか
分かるなんて簡単に言っちゃってごめんなさい、
でもあぁ分かるなぁって思っちゃいました、とか

(漢字について、どっちでもいいですと返されたことがあって、
 今でもトラウマです。迎えると向かえる。)

(言うを必ずゆうと綴るお嬢さんがいました。
 学校でいっつも直されるけど、自分にはこうなんだって。)

何かを読むときには
今までに出会ってきたもの
読んできたもの
思い出されること
そういうものたち全部と一緒に読みます。
そんな読み方で読んで想ったこと、感じたこと。

いくばくかの言葉たちを
「良い」と認めたり認めなかったりではなく
たいていの場合は、
ああ、そうですね、そうですかとだけ
作者氏にではなく
作品に話しかけていること。

好きでしたとか、
すごいですねとか、
私はそうは思わないぞーとか、
もしも、作者氏もお聞きになりたいなら。


感想屋さん、始めました。
感想屋さん、始めましょうか。

お代は何でいただきましょうか。
貴船参りだけは勘弁して頂きたいものですが

ああっ、なんだか心臓のあたりが・・・。


自由詩 ほんの少しの感想でいいなら。 Copyright 小池房枝 2010-06-27 21:52:04
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