お砂糖は、夕陽のヴァーミリオンで、お塩は、深い森のモスグリーンなの、分かる？
洋ちゃん、ここをまず押さえてね。
〜えっと、砂糖がヴァーミリオンで、塩がモスグリーンね。
あのね、だから、単に色だけの問題じゃなくて、「夕陽のヴァーミリオン」と「深い森のモスグリーン」なの、いい？
それでね、この二つの係数を仮にＶとＭとするわ、いい、このＶとＭとの間には生物学的に相関係数Ｒが0.8以上の高い正の相関が存在するのね、だから、とても高い正の相関関係が成り立っているのよお砂糖とお塩には、昔っから。
その観点からするとね、「夕陽のヴァーミリオンのお砂糖」と「深い森のモスグリーンのお塩」とは、形而下学的にも形而上学的にも区別することは永遠に出来ないわけ。
それでは、どうするのか、考えてみて洋ちゃん。
もう眠くなってきたでしょ、いっつもそう、問題が少し複雑になると、すぐ冬眠状態に陥るんだから、中学生の頃からちっとも変わらないね、でね、どうするのか。
ＶとＭとは逆相関の関係にもあることに気付けば、ね、簡単でしょ、ＶとＭ、つまり、「夕陽のヴァーミリオンのお砂糖」と「深い森のモスグリーンのお塩」はね、相関係数0.8以上の高い正の相関と相関係数-0.8以上の高い負の相関を同時に併せ持つ、この地球上には滅多に存在しない
全相関関係にある物質なの。
若干のニュアンスの違いはあるけど、それ以外にはね、人の愛と憎しみとの間にもこの全相関関係理論が適用できるのね、michiと洋ちゃんみたいに。