夏草
あぐり

優しくののしられる夢を毎晩みている

夏草の匂いが瞼に触れたなら
誰かを否定しよう


(今日も律儀にともだちを20人ほど貶してきました
 わたしの夜にまた、
 優しいひとたちがふえていく)


窓辺には座れない
煙草は吸えない
それでも生きてこられた夏に
むせかえるほどきみのにおいがたちのぼる


値札をつけるのがひどく好きだけども
自分の価値を口にした瞬間にわたしを軽蔑したともだちだけは
まだ夢の中では出逢わない
今夜も優しいひとたちにののしられながら
深く息を吸うことだけ
静かに考えている







自由詩 夏草 Copyright あぐり 2010-06-20 19:29:24
notebook Home 戻る  過去 未来