ビューティフルガール帰りのビューティフル(写真付)
mott

電車が泊まってたので、あの人はたしかそろそろ締め切り間際だったかなとか、あの子は今日も新宿にまだいるのかなとか、さてどうしようか、公衆トイレで考え事をしていたら、おっ、ダイヤの指環を拾いました。美輪さんがしてそうなごつごつの。55個。イミテーションかどうかはまぁいいとして、やっぱり元持ち主に興味が湧くわけですが。たとえばとりあえず未亡人とか?
 
 女に懸かる漆黒の透は百合でなければならない

         紅は薔薇でなければならない

         香は白檀でなければならない
指は骨張って補足 鎖骨の御皿は示録 眸は執拗に睫の影に堕ち

列車には到底乗れません。とも
あなた、肩だけが震えていますね
妙な目で私を見なさらんでください あなたが気にすることではないのですから
もっと私の顔をご覧ください
美しさはあなただけのものではありません  ほら 



たとえばほんの子どもだったとか?

 あっくん。外国は広くて遠いけれど、先生待ってるね。
 お母さんも一緒なんでしょう?大丈夫だよ。
 あっくん。お母さんの指環、先生のだったの。
 お父さんはね、先生のことが大切だったんだよ?
 あっくん。早く帰ってきてね。あっくんは先生が一番でしょ?
 先生、やっぱり一番になりたいの
 


たとえばもしかしておばぁとか?
 
 おばぁも若かったもんねぇ
  白黒写真はやっぱり女が綺麗にみえるわぁ
     ねぇ これがおばぁなの?おじぃにもらったの?
  え? ・・・ 
 そうなんだぁ。     ううん。いいの。
   あ、そうなの?うん。一緒に行こうか?
 ・        ・・そっか。きおつけてね。いってらっしゃい

 

あ、電車動いた。帰ろ帰ろ
ビューティフルガールよかったもん まぁいっか
                       
                    ・・・in the city     



 
 
 



未詩・独白 ビューティフルガール帰りのビューティフル(写真付) Copyright mott 2004-10-10 15:00:20
notebook Home 戻る  過去 未来