バンビを増やし続けたのは誰だ?
ホロウ・シカエルボク
無駄にやたらに生まれてきたのだから
無駄にやたらに死んでいくのはしかたがないこと
この際自殺は承認しましょう
死にたい方はまず家族にきちんと説明をして納得してもらってください
(身よりのない方は結構です)
それが出来ましたら最寄りの警察で
行う日時、場所、方法、立会人の有無、人数などを
指定の書類に可能な限り正確に記入したのち
十分程度の審査が終わるのをお待ちください
それが極めてパーソナルなものとして
誰にも迷惑のかからないきちんとした自殺だと判断されれば
担当者の検印の後いったん書類が返却されますので
確認の後署名と実印を押して提出してください
(未成年者は保護者の判が必要になります)
それであなたは実行後に速やかに回収されます
葬儀の準備がすでに整っています
葬儀の費用は国が負担してくれます
あなたは価値あるマイナスなのですから
遺族には自殺手当が送られます
ひとりにつき五万円です
自殺の名所には自殺の名所と
わかりやすい看板を立てましょう
係りのものをひとり置いて
正規の届け出が済んでいるかどうか確認してもらいましょう
名所ですから観光客は
自殺の過程を観光出来ます
自殺前、自殺後の遂行者と
仲良く並んで記念撮影が出来ます
(ただし自殺後の撮影は腐敗が始まった時点で打ち切られます)
売店には
自殺煎餅や自殺饅頭
自殺イチゴショートなど
趣向を凝らした土産物が並び
町おこし村おこしに
一役買うことでしょう
旅行会社と提携して
「秋の紅葉集団自決ツアー」
なんて
センシティブでステキかもしれませんね
仮に
未遂に終わった場合
〇〇なみの処置でもって可能な限り
後遺症が残らぬよう蘇生させます
その上でなお自殺の意志があるかどうか確認して
社会復帰を目指すということならば復職までのサポートは万全です
再度自殺を試みる際には
テレビ局が入り
「今度は死ねるか!」といったタイトルの
テレビショーの制作にメインアクトとして参加して頂きます
もちろん
決定的瞬間で一度CMを挟みます
視聴率はバツグンな数字を弾き出すでしょう
みんななんだかんだ言って案外好きなのです
だいたいお分かりいただけたでしょうか
それでは
規則に従って
みなさま
よいお終いをお迎えくださいませ