消えた雀 
服部 剛

どん・・・!と物音がして 
窓の下には 
雀が一匹蹲り、震えていた。 

細い足も折れたまま 
なかなか飛べずにいるようで 

重い腰を上げた僕は 
外へ出て、上着を脱ぎ 
雀の小さい体を包んだら 

するり、と羽ばたき 
低空飛行のまま 
遠い草の茂みに、入っていった・・・ 

中途半端なこの手で 
助けようとして
怪我した雀は、何処かへいった・・・ 

やがてとっぷり陽も暮れて 
窓辺に頬杖つきながら 
そうっと両手を組んで、呟いた 

(次の雀はきっと、しっかり抱いて 
 助けることが、できますように・・・) 





自由詩 消えた雀  Copyright 服部 剛 2010-05-27 23:09:08
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