オフィーリアIII
瀬崎 虎彦

孤独花びらにのせて歌う
死人の指とよばれる草と
緑の深遠で舞う光の粒子
孤独花びらにのせて歌う

月が満ちても狂気は去らぬ
思う心に二心ありと疑えば
身を傷つけても耐え難くて
月が満ちても痛みは去らぬ

もはや涙は流すまいと
近しい人が言ったのを
あなたは知っているかしら

私の涙はすべて
この流れに乗り
遠い海へ向かったということを


自由詩 オフィーリアIII Copyright 瀬崎 虎彦 2010-05-24 22:54:00
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