錆び色の茶碗
鵜飼千代子

               金を使っているもの
               だけでなく
               ほら
               この錆び色の茶碗も
               電子レンジでは
               使えないからね
           
               くるくると回る
               ガラスのテーブルの上で
               酸化した鉄の
               渋みが
               スパークする
           
               深い趣のあるものはいつも
               簡単便利とは
               少し離れた場所に
               位置しているのかも
               しれないね
           
               あなたに贈った
               あのコーヒーカップ
            
               大切に使ってくれて
               いますか
           
           
           
        1998.11.09.   YIB01036 Tamami Moegi.
        初出 NIFTY SERVE FPOEM


自由詩 錆び色の茶碗 Copyright 鵜飼千代子 2010-05-21 21:02:23
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