言葉で繋ぐ手
朧月

私は私の言葉を
細く細く出し続ける
水の中で吐く呼吸のように
みえない泡になってゆく

はじけたとき
はじけぬまま
あなたはなにかを感じるでしょう

たとえ
目をそらされたとしても
なにもかえってこなくても

この泡をつくることをやめられるはずもない
言葉は私の生きてる印

大騒ぎする
うれしかったと 悲しかったと
そのとき あなたは
とりあえずでもいい 振り向いて

夢見る ときにも忘れないでいる
眠りの中でさえ
私たちは言葉で つながろうとこの手を
前へ 前へ 差し出している



自由詩 言葉で繋ぐ手 Copyright 朧月 2010-05-20 23:00:24
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